完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろミスPhoto: Adobe Stock

「何が原因か」で止まると、同じ失敗は繰り返される

「申し訳ありません、確認が漏れていました」。

 部下からそんな報告を受けたとき。

 喉元まで、「なぜ確認しなかったんだ」という言葉が出かかることがあるでしょう。

 それを飲み込んで、「次は気をつけて」と返す。

 それなのに数か月後、同じミスが発生する。

 どう注意したらよいのか、もどかしさを感じたことはないでしょうか。

 実は、同じ失敗が繰り返される原因は、「誰が」とは別のところにあることが多いものです。

「反省」ではなく「省察」が足りない

 ここで思い出してほしいのが、「反省」と「省察」は違うということです。

 もちろん、反省が悪いわけではありません。問題にしたいのは、「自分がダメだった」だけで止まってしまう反省です。

 省察は、そこから「何が起きたか」「なぜそうなったか」「次にどうするか」と問い、検証につなげます。

 つまり、犯人捜しではなく、構造を問うのです。

本番で障害が起きた夜、「私が悪い」で終わらせなかった

 省察の大切さは、これまでの業務でも実感してきました。

 データベースが落ちた夜、公開前の確認を怠った自分が悪いと片付けそうになりました。

 でも、「何が見えていなかったか」と問い直したら、別のものが浮かびました。確認に使うテスト用の環境には、本番の100分の1のデータしか入っていなかったのです。

 つまり、誰がどれだけ丁寧に確認しても、防ぐのは不可能だったということ。

 原因は、「私の不注意」ではなく、「本番を再現しない確認環境」の方にあったのです。

 それがわかったからこそ、次からの予防策がとれました。

 これを「私が悪い」で止めていたら、次は別の誰かが、同じ環境で、同じ事故を起こしていたはずです。

犯人を捜すと、人は情報を隠す

 エンジニアの世界には従来から、これに近い文化があります。「ポストモーテム(事後検証)」です。

 障害が起きた後、関係者で集まって、何が起きたかを振り返ります。

 このとき、優れたチームは「誰が悪かったか」を問いません。

「どういう状況なら、誰がやっても同じことが起きたか」を問います。これを、「ブレームレス(責めない)ポストモーテム」と呼びます。

 犯人を捜すと、人は情報を隠します。隠された情報は、次の障害をまた呼びます。

 個人を責めずに構造を見るには、感情と行動のあいだに、「間(ま)」が要ります。

 私は最初の頃、毎回フィードバックを見るだけで、腹の奥が締めつけられていました。

 必要なのは、「落ち込まないこと」ではありません。落ち込んだ後に何を見るかを、決めておくことです。

 まず、感情と行動のあいだに「間」を入れる。次に、出来事を短く記録する。最後に、「見えていなかった前提」を考える。

 次にミスの報告を受けたら、「誰が悪いか」の代わりに、「どういう状況なら、誰がやっても同じことが起きたか」と聞いてみてください。

 あなたのチームにも、「まだ見えていない前提」が、きっとあるはずです。