完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろ気まずいPhoto: Adobe Stock

決して手を抜いていないのに

 頼まれていた仕事が、思ったより早く終わったとき。

 早くできてよかったと思うと同時に、「見落としはないか」「こんなに早いと手を抜いていると思われないか」と感じることがあるかもしれません。

 そして、せっかく自分に依頼してくれたのだからと追加の作業を始める。

 これは、仕事が速いのに損をしている「完璧主義」な人の典型です。

 私たちは、学校教育で「時間をかけた=頑張った=良い評価」という等式を刷り込まれてきました。

 しかし、仕事での指標は「相手の問題を解決したか」ただひとつです。

 複雑さは多くの場合、自己満足です。「これだけ手間をかけたのだから、価値があるはずだ」という錯覚が、出すことを妨げているのです。

3週間分の資料より2本の矢印の方が伝わる

 私にも、こんな経験があります。

 顧客向けの提案資料の作成に、3週間を費やしました。

 納期前夜に上司へ共有すると、「要はここが言いたいんだよね?」と、紙にペンで2本の矢印を書かれただけで終わりました。

 クライアントからも「これで十分です」と、即返信が来たのです。

 また、あるとき障害の原因を調べるよう頼まれました。システムの記録を読んで、10分で原因がわかりました。設定ファイルの1行が、間違っていたのです。

 でも、10分で終わったことが気まずかった。「10分でわかりました。1行を直してください」と報告するのが、なぜか怖かったのです。

 早く終わることへの罪悪感が根深かったのだと思います。

 私は2時間かけて、調査レポートを書きました。原因分析、影響範囲、類似箇所の洗い出し、再発防止策。立派なドキュメントができました。

 ただ、相手が必要としていたのは、「どこを直せば復旧するか」だけでした。2時間のレポートのうち、役に立ったのは、最初の3行だけでした。

60点という意思決定で無駄をなくす

 こんな遠回りをしないために、複雑さを足したくなったら、それは仕上がりを良くするためなのか、自分を守るためか、一度問い直してみてください。

 どんなものにも、改善の余地はあります。だから、選択肢は2つしかありません。いつまでも改善し続けるか、どこかで「ここで止める」と決めるか。

 前者は地獄です。後者が「60点で出す」ことです。

 60点とは、妥協ではなく、意思決定なのです。

 私は30代になっても、まだ完璧主義を引きずっていました。十分に評価される立場になったのに、深夜まで残って作った資料のほうが「偉い」と感じてしまう。

 早く終わると、手を抜いた気がして、落ち着かなかったのです。

 しかし、30分で作ったものが通った経験を何度も積んで、やっと身体が納得し始めました。

 早く終わらせても、手を抜いたことにはなりません。それで出していい。

 すると無駄がなくなり、大切なあなたの時間が失われずに済むはずです。