スペースXとテスラの統合、複雑怪奇で評価は困難Photo:Cheng Xin/gettyimages

 イーロン・マスク氏が率いる衛星通信・宇宙開発企業 スペースX と電気自動車(EV)大手 テスラ を統合しようとする案は、マスク氏にとっては好都合かもしれない。だが株主にとって、特にテスラの株主にとってはそうとも言えないようだ。

 両社の統合が実現すれば、マスク氏が実現を目指す主な事業が一つに集約され、世界一の富豪が築いた広大な企業帝国がより効率的に運営されることになる。

 プラス面としては、統合で誕生するコングロマリットの巨大な規模と多様な収益源は、資本コストの引き下げにつながる可能性がある。そうなれば、マスク氏が思い描く複数の惑星におけるサイエンスフィクション(SF)のような未来を実現するための資金調達が容易になるかもしれない。

 だがその一方で、人工衛星からソーシャルメディア、ロボット工学、人工知能(AI)、太陽光発電、EVに至るあらゆる事業を統合すれば、マスク氏自身の構想以外に共通点がほとんどない混沌(こんとん)とした巨大企業を生み出すことになりかねない。そうした企業への投資を正当化しようとする投資家にとっては、かなり大きな「コングロマリット・ディスカウント」があってしかるべきだろう。

 マスク氏は20日、2社の統合について「いいアイデアになるだろう」と述べた。この動きを巡っては、数カ月にわたり臆測が飛び交っていた。マスク氏によると、両社とも、統合について検討する特別委員会を設置したという。