「25分作業して、5分休む」。これをくり返すことで集中力を保つのが、「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれる方法です。よく知られた方法ですが、試したものの「自分には合わなかった」とやめてしまった人も多いのではないでしょうか。500万DLを突破したアプリ「集中」の開発者で、『脱スマホ術』の著者・戸田大介さんは、「『合わない』と感じる人の多くは、同じところでつまずいているだけ」と話します。挫折しやすいポイントと、その直し方を聞きました。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「いつも疲れている人」は、みんな同じことをしているPhoto: Adobe Stock

「合わない」のではなく、つまずく場所が同じ

――私も集中力が続かなくて、ポモドーロ・テクニックを試したことがあります。集中力が続くことは実感したのですが、気づけばやめていました。なぜ長続きしないのでしょうか。

戸田大介(以下、戸田):聞いたことがある人、試したことがある人はとても多いと思います。でも、効果のある方法なのに、長続きしない人が多いんです。

 最初は「新鮮だし、やってみよう」と前向きに始めます。ところが、慣れないうちは少し窮屈に感じることもあって、多くの人がぱたっとやめてしまう。そして「自分には合わなかった」と結論づけます。

 ですが、それは本当に合わないのではなく、ちょっとしたつまずきが原因になっていることも多いんです。しかも、そのポイントはだいたい同じです。そこを少し直すだけで、一度挫折した人でも、すんなり軌道に乗ることがあります。

一番多い失敗は「乗ってきたところで休憩を飛ばす」

――具体的には、どこでつまずくのでしょうか。

戸田:一番多いのは、休憩を無視してしまうことだと思います。

 25分作業すると、ちょうど調子が乗ってきたところでタイマーが鳴ります。そこで手を止めるのは、なかなかもどかしいものです。だから「今いいところだから」と休憩を飛ばして、そのまま作業を続けてしまう。

 でも、一度ルールを破った瞬間に、このリズムは崩れてしまいます。「時間が来たら区切る」という決まりがなくなると、結局はいつものように、だらだらと作業を続けることになってしまいます。

 ルールを守ることは、多くの人が思っているよりもずっと重要です。乗ってきたところでも、時間が来たら手を止める。そのほうが、集中力を持続できて、結果的に作業もはかどります。

休憩は「何をするか」まで決めておくと、スマホに流されない

――時間配分は、決まりどおりでなければいけないのでしょうか。

戸田:いえ、変えてかまいません。僕も最初は「25分作業して5分休む」から始めましたが、やってみると5分の休憩が長く感じたので、今は「25分作業して、3分休憩する」を繰り返しています。

 休憩には、気分や疲労感をリフレッシュさせるだけでなく、「時間を区切る」という役割があります。区切りさえつけられれば、休憩時間は自分に合った長さでかまいません。

 もう一つ大事なのが、休憩中にやることをあらかじめ決めておくことです。

 休憩に入ってから「何をしようか」と考えると、楽なほうへ楽なほうへと流されていきます。気づけばニュースを見ていたり、SNSを見ていたりする。

 でも、休憩中にやることが決まっていて、何も考えずに機械的にこなすだけの状態にしておけば、迷う余地がなくなります。迷わなければ、ついスマホに手が伸びることも減るので、決めたとおりにきちんと休憩できるんです。

集中力を維持するコツは「時間を区切る」こと
集中力を維持するコツは「時間を区切る」こと

休憩メニューが決まっていれば、休憩からすっと作業に戻れる

――1日の予定をカレンダーに細かく入れるのが好きな人はいますが、休憩中に何をするかまで決めている人は少ない気がします。戸田さんは、休憩メニューをどのように決めているのですか。

戸田:僕はスプレッドシートで管理していて、1日に何回かある休憩のタイミングごとに、やることを全部決めています。中身はすべてストレッチです。

 最初は、何も決めておらず、歩き回ったり横になったり、なんとなく休憩するだけでした。でも、それだと時間がもったいないと思って、ストレッチを入れてみたんです。座りっぱなしで体が固まる問題も一緒に解決できて、一石二鳥でした。1つのストレッチを3分続けるのは長かったので、1分ずつに分けるなど、少しずつ変えてきました。

 やることが決まっているので、休憩に入るときに迷わないし、時間が来たら、そのまますっと作業に戻れます。

――メニューは、ずっと同じなのですか。

戸田:いえ、体の調子に合わせて入れ替えています。たとえば最近腰が痛いなと思ったら、腰回りのストレッチを足して、あまり効いていないものを外します。

 肩こりが気になったとき、解消法を調べて、一度ストレッチしてみたりすると思います。でもストレッチって、その時一度やっただけでは根本的には解決しませんよね。休憩メニューに入れておけば、自分の意思とは関係なく毎日続けることになるので、不調そのものが直っていきます。休憩しながら、体のケアまで習慣にできるんです。

戸田さんの休憩メニュー戸田さんの休憩メニュー。休憩中にやることを事前に決めている。

 もちろん、休憩はストレッチでなくてもいいんです。お茶を淹れる、少し歩くなど、何をするかよりも「決めておくこと」のほうがずっと大切です。

 人は疲れているときに「判断」を迫られると、ラクなほうに流されてしまうので、事前に休み方を決め、「判断する必要性」を作らないことが重要です。それだけで、「ついスマホを見て何時間も経っていた」ということはグッと減ります。