ブルーウェーブ、市場に潮流転換もたらすか中間選挙当日のイベントの様子 (3日、テキサス州オースティン) Photo:Jabin Botsford for WSJ

 歯止めのない人工知能(AI)インフラの整備から莫大なコストを伴う中東での戦争に至るまで、米中間選挙で有権者がドナルド・トランプ大統領の経済政策の主軸に大きな打撃を与えたことを背景に、4日の米国市場は急伸した。

 民主党は連邦議会の上下両院を制し、複数の州知事選でも勝利を収めたが、その一因はトランプ氏が推進してきたデータセンター開発への反発にあった。JD・バンス副大統領は、敗因はインフレと金利を押し上げた トランプ氏のイランとの対立 にあるとの見方を示した。そして、主要企業や貿易相手国に対して強硬な姿勢を取ってきた大統領は、今後は経済を形作る権限について議会による抑制に直面することになる。

 こうしたテーマはここ数年で市場を支配してきたものであり、大統領による一件のソーシャルメディア投稿で再び前面に出てくるかもしれない。今回選出された民主党議員らが就任するまでにはまだ数カ月ある。しかし4日の広範な相場上昇が何らかの兆候だとすれば、ウォール街はトランプ政権の残り任期において、より予測可能で、より「実体に即した」経済に賭けている。一方で敗者もいた。特に、AI関連取引の「つるはしとシャベル」の役割を果たす半導体メーカーやその他のサプライヤーだ。

 ティー・ロウ・プライスの米国担当チーフエコノミスト、ブレリナ・ウルチ氏は「今回の選挙は、イランとの戦争や今年のエネルギー価格上昇、さらにはデータセンター拡張に対する国民投票のように感じられた」と述べた。「市場が民主党の大勝利を、国民が『これは私たちのためにはならない』と言っているとして解釈しているのではないかと思う」

 市場の潮目の変化は、AIから始まる可能性がある。データセンター開発にとって重要な五州の知事選で民主党が勝利したことは、新規建設のペースを鈍化させる恐れがある。南部テキサス州や中西部オハイオ州では、焦点はAI向けハイパースケーラー(大手クラウド事業者)間、また米中間の開発競争から、こうした事業が地域の電力料金や水使用量に及ぼす影響に移りつつある。