相手の話には、きちんと相槌を打つ。共感も示すし、話を聞いていることが伝わるように言葉を繰り返す。会話の本で学んだことは、一通り実践しているつもりだ。それなのに、なぜか「話していると疲れる」と思われている気がする。そんな違和感を抱えている人にぜひ読んでほしいのが『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著)だ。話していて疲れる人がやってしまいがちな返し方と、その落とし穴について、本書から引用しつつ紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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感じはいいのに、なぜか疲れる人
「悪い人じゃないんだけど、話すとどっと疲れる」
「ちゃんと聞いてくれているはずなのに、手応えがない」
「なんだか、うまくかわされている気がする」
周りから、そんなふうに思われてしまう人がいる。
本人は、相手の話をきちんと聞いているつもりでいる。
相槌も打つし、共感も示す。
むしろ、会話のマナーには人一倍気をつかっている。
それなのに、話した側はなぜか消耗してしまう。
その原因は、真面目な人ほどやってしまう、ある返し方にある。
「オウム返し」が逆効果になるとき
本書は、その返し方について、次のように書いている。
しかし、想像してみてください。そのつどオウム返しをされるとどう感じるでしょうか?
この人、ちゃんと話聞いているかな? 私をバカにしているのか?
と思うのではないでしょうか。
話を聞いていると示そうとしたのに、逆に「聞いてない」と疑われてしまう。
――『頭のいい人が話す前に考えていること』より
「昨日、上司に怒られちゃって」
「上司に怒られちゃったんだ」
「それで、ちょっと落ち込んでて」
「落ち込んでるんだね」
こうした返しが毎回続くと、話している側は、だんだん壁に向かって話しているような気分になる。
言葉は返ってくるのに、自分の話が相手の中に届いている感じがしない。
だから、話せば話すほど疲れてしまうのだ。
テクニックは「聞いているふり」しか生まない
本書は、こうした状態を、真面目な人ほど陥りがちな「テクニックのジレンマ」と呼んでいる。
相槌を打つ、共感する、相手の言葉を繰り返す。
どれも、会話や聞き方の本でよくすすめられる方法だ。
しかし本書は、これらのテクニックを使うだけでは、聞くふりはできても、ちゃんと聞くことはできないと指摘する。
テクニックに頼っているとき、人の意識は「うまく聞けているか」という自分のほうに向いている。
相手が本当は何を言いたいのかには、向いていないのだ。
オウム返しは「ここぞ」で使う
では、オウム返しはまったく使わないほうがいいのだろうか。
本書によれば、そうではない。
相談を受けたとき、最初に「相手が何をしたいのか」というゴールを確認する場面では、相手の言葉を簡潔に繰り返すのが効果的だという。
自分の言葉に置き換えるのではなく、相手の言葉を使って返すことで、「ちゃんと聞こうとしてくれている」と感じてもらえるからだ。
大切なのは、テクニックを当てはめることではない。
相手の言いたいことは何だろうか、と考えながら聞くことだ。
本書の著者も、コンサルティング会社に入った頃、上司から「黙っていい、むしろ積極的に沈黙しろ」と言われたという。
うまい返しが思いつかないときは、無理に言葉を返さなくていい。
相手の話を最後まで聞き、相手が何を言ってほしいのかを考える。
それだけで、「話していると疲れる人」から「また話したい人」へと、印象は変わっていくのではないだろうか。








