買い物の途中、パートナーから「どっちがいいと思う?」と聞かれる。素直に好きなほうを答えたのに、相手はなぜか浮かない顔をする。「どっちも似合うよ」と返しても、どこか物足りなさそうだ。そんなやりとりに心当たりがある人にぜひ読んでほしいのが『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著)だ。何気ない二択の質問に、本当に頭のいい人はどう答えているのか。本書から引用しつつ紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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何気ない二択に、正直に答えただけなのに
「この青の服と、白の服、どっちがいいと思う?」
パートナーと買い物をしていて、こう聞かれたことがある人は多いだろう。
よくある答え方は、次の3つだ。
ひとつめは、「こっちかな」と、自分の好みで即答する。
ふたつめは、「どっちも似合ってるよ!」と、どちらも褒める。
みっつめは、「最近の流行ってさ……」と、ファッションの知識を語り始める。
どれも、相手のために答えたつもりだろう。
ところが、相手の反応は「そっかー……」「う、うん。ありがとう……」と、どこか冴えない。
本書の著者も、かつては妻にこう聞かれるたび、何も考えずに自分の好みを答えていたという。
すると、なぜか妻が少し不機嫌になる。
本書は、こうしたとっさの場面にこそ、「ちゃんと考えている人」と「考えていない人」の差が表れると指摘している。
ちなみに、みっつめの流行の話は、本書の言葉を借りれば典型的な「賢いふり」である。
頭のいい人は、質問で返す
では、どう答えればよかったのか。
本書は、こう答えている。
「白と青、それぞれ、どこがいいと思ったの?」
です。
――『頭のいい人が話す前に考えていること』より
こう聞き返すと、会話は次のように進む。
「こっちの青いほうはデザインが好きなのだけど、そっちの白いほうが今度行く旅行先には合ってるかと思って……」
「率直に言って、どっちがいいと思ってるの?」
「青いほうが好きだけど……」
「今度行く場所なら、青でも良いと思うし、いろいろな場所で青は使いやすいと思うよ」
「そっかーありがとう!」
相手は最初から、どちらが似合うかの判定を求めていたわけではない。
本当は青が好きだけれど、旅行先に合うかどうかで迷っていた。
その迷いを聞き出し、背中を押してほしかったのだ。
「私のこと、ちゃんと考えてくれてない」
著者はあるとき、好きな色を素直に答えるとなぜ不機嫌になるのか、妻に尋ねてみた。
返ってきた答えは、「私のことちゃんと考えてくれてない気がしたから」だった。
「こっちかな」は、自分の好みの話でしかない。
「どっちも似合う」は、考えることを放棄している。
流行の話は、相手ではなく自分の知識の話だ。
どれも、目の前の相手の気持ちに向き合っていない点で同じなのである。
本書は、人は「この人、私のことちゃんと考えてくれている」と感じたときに、また話したいと思うと説明している。
これは恋人や夫婦に限らない。
本書は、不動産の営業を例に挙げている。
「この人、自分のノルマのために売ろうとしているな」と感じたら、どれだけ説明がうまくても買いたいとは思わない。
逆に「この人、私のこと、真剣に考えてくれてるな」と思えたら、その人から買いたくなるし、次もお願いしようと思うはずだ。
上司から会議中に、クライアントから打ち合わせ中に、「どう思います?」と不意に聞かれたときも同じだ。
本書は、こうしたフリートークのふとした瞬間の会話にこそ、知性は現れると述べている。
すぐに自分の意見を言う前に、まず相手がどう考えているのかを聞いてみる。
何気ない二択の質問ほど、その一言が、相手との関係を大きく変えるのではないだろうか。








