2014年の株式市場は波乱の幕開けとなった。日経平均株価は取引初日の1月6日に382円安。その後も荒っぽい展開が続いている。

 米国の雇用統計が弱かったことも相場の乱高下に拍車をかけたが、本質は昨年の揺り戻しとみている。昨年末にかけて日経平均は9連騰。合計1138円もの急騰を記録していたため、スピード調整はあってしかるべきといえる。

 米国の12月雇用統計は、非農業部門雇用者数が20万人程度の増加予想に対し、7万4000人増にとどまった。米国のQE(量的緩和)縮小が想定通りに進まず、円高ドル安に向かうのではないかとの懸念が高まっている。

 しかし、昨年12月の米国は寒波が厳しく、悪天候で就業不能に陥った労働者が平年よりも13万5000人多かった。この分を考慮すれば、ほぼ予想通りだったことになる。過度に悲観視する必要はなかろう。

 FRB(米連邦準備制度理事会)も単月の雇用統計ではなく、足元3カ月程度のトレンドを重視しているとみられる。10~12月の平均では、非農業部門雇用者数は17万2000人増。1月28~29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では再びQEを縮小し、ドル高円安が日本株を押し上げる流れになろう。

 国内株式市場では昨年末ごろから物色動向に変化が見られる。日経平均をTOPIX(東証株価指数)で割ったNT倍率は昨年12月25日にピークをつけ、実質新年度入りした同26日以降は下落。外国人を中心とした日経平均先物主導の上昇一巡を示唆している。

 日経平均への寄与度が大きい一部の値がさ株に代わって、時価総額の大きい主力株、配当利回りの高い銘柄群、株主優待が厚い銘柄群などに人気が集まっており、個人投資家が主役に躍り出た様がうかがえる。

 今年の株式市場では、NISA(少額投資非課税制度)開始もあって、個人投資家に期待するところが大きい。