グーグル会長・エリック・シュミット氏初の著書『第五の権力―Googleには見えている未来』の序章を公開。最終回である第5回は、著者たちが思い描く未来について語る。
グーグル、フェイスブック、
アマゾン、アップルは強力な存在
グーグル、フェイスブック、アマゾン、アップルなどの最先端の技術プラットフォームは、世の中の人たちが思っている以上に強力だということ、またこれらプラットフォームがさまざまな社会に普及し、成功を収めるうちに、世界が根底から変わることを、私たちは確信している。
こうしたプラットフォームは、テレビの発明にも似た、正真正銘のパラダイムシフトを起こしている。
なぜそれほどまでに強力な力をもっているかといえば、その成長力、具体的にいえばプラットフォームが拡大するスピードがこの上なく速いからである。
これほど急速に、効率的に、また強引に広がる力をもっているのは、生物学的ウイルスくらいのものだ。そのため、プラットフォームを構築し、支配し、利用する人たちまでもが、力をもつようになる。
これほど多くの人が、瞬時に反応するネットワークでつながったのは、人類史上初めてのことである。
消費者、制作者、篤志家、活動家などが、共通のオンラインプラットフォームを介して力を合わせられるようになれば、社会のあり方が根底から変わるだろう。クチコミで爆発的に広まる人気音楽ビデオや、国際的なeコマース(電子商取引)のプラットフォームなど、私たちが知っている「スケール効果」は、これから起こることのほんの予兆でしかない。