研究者の素質は
論理性に尽きる

 具体的な実験ノートの書き方は後述するとして、最初にお伝えしたいことがあります。それは「研究者の素質とは何か」ということです。

 ノートにもつながる話ですので、まずはここからお話ししたいと思います。

 拙書『君たちに伝えたい3つのこと』にも書きましたが、研究者に求められる第一の資質は、意外に思われるかもしれませんが、「論理性」なのです。つまり、突飛なアイデアではなくて、A→B、B→C、故にA→Cというような、確実で綴密な思考能力が要求されます。

 逆に言えば、天才でなくても、誰もが思いつかないことを発見するエジソンやアインシュタインみたいな人でなくても大丈夫だということです。

論理が非論理、
すなわち大発見を生む

 ではどうやって論理性から大発見が生まれるのでしょうか? 大発見は往々にして、論理体系の中から論理にはずれるものとして顔を出してきます。論理性がなければ論理にはずれたものを認識できませんから、貴重な機会を逃してしまうでしょう。逆説的ですが、論理が非論理(大発見)を生むのです。

 ピカソはあんなデフォルメされた絵ばかり描いているイメージがありますが、実はたぐいまれなデッサン力があったそうです。それと同じ、研究者にとっての論理性とは、画家のデッサンカに匹敵するものなのです。

 頭で理解できても実行できないという人は、実は真の理解ができておらず、硬直化した感情に流されているのです。