原油相場は、ロシアによるクリミア半島への軍事介入が行われた3月初めに高値を付けた後、下落傾向で推移していたが、4月に入って徐々に上値を切り上げている。
ウクライナ情勢の緊迫化が徐々に相場を押し上げている。米欧は、ウクライナ情勢へのロシアの関与を非難し、対ロシア制裁を強める流れになっている。対ロ制裁は、今のところ、個人に対する渡航禁止や資産凍結などにとどまっているが、徐々に、原油や天然ガスの取引制限などを含めたより広範な経済制裁が行われるような事態に近づいていると懸念されている。
国際指標である北海ブレント原油は、東ウクライナで親ロシア派の武装勢力による「共和国」樹立宣言が相次いだ4月8日や、ロシア軍戦闘機が米軍艦に異常接近を繰り返した14日にはやや大幅な上昇となり、ウクライナ政府が庁舎などを占拠する武装勢力に対する武力行使に踏み切った16日には一時、1バレル当たり110ドル台と3月4日以来の高値に上昇した。