カラーコンタクトレンズがおしゃれアイテムとして定着して市場は急成長、メーカーも流通も参入が相次ぐ。一方でトラブルが再び増えるリスクもはらんでいる。

「私たち就職活動中の女子大学生は、2人に1人くらいがカラーコンタクトレンズ(カラコン)を装着しています。目がくっきりして印象がアップするので手放せません」(東京で就職活動中の文系女子大生)

アインズ&トルペ渋谷センター街店は店舗の一番目立つ場所にカラコンを20種類以上置く。人気の高いジョンソン・エンド・ジョンソンのワンデーアキュビューディファイン(左上)
Photo by Tatsuya Noguchi
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 就職戦線は4月1日に選考が解禁となり、街にはリクルートスーツ姿の学生があふれている。就活女子大生の間で今、人気なのがカラコン。「アパレル業界を希望する学生の装着率はほぼ100%」(同)だという。ジョンソン・エンド・ジョンソンが昨年、就活女子大生を対象に調査したところ、92%が初対面の印象を決めるのは「目力」だと回答。少しでも好印象を与えるためにカラコンを着けるのが当たり前というわけだ。

 かつてのカラコンは瞳の色を変化させる派手なものが主流で、デート時など「勝負の日」に装着するものだった。最近はカラコンの中でもサークルレンズと呼ばれる商品が人気だ。瞳の色を変えず、瞳の大きさを若干大きくし、縁をくっきりとさせるもので、毎日着ける人も多い。

 2005年にジョンソン・エンド・ジョンソンが「ワンデーアキュビューディファイン」を発売したのをきっかけに、カラコン市場が伸び始めた。今では「医療機器というよりはメークの一部として捉えられている」(ドラッグストア大手のアインファーマシーズ)。

 コンタクトレンズ市場はすでに成熟している。市場規模は3000億円強(小売りベース)で、この10年程度はほぼ横ばい。ただ、その中でカラコンの比率は急速に上がっている。