このところ疲れ目がひどいEさん、46歳。老眼かと眼科を受診したところ、ドライアイを指摘された──。

 ドライアイは涙の量や質の異常により、目の角膜表面が障害される病気。最も多い「蒸散型」では、まばたきの減少や涙液成分の異常で角膜表面が乾燥し、「肌荒れ」状態になる。

 目の表面を覆う涙は、いちばん外側から、被膜として水分の蒸発を防ぐ「油層」、栄養分と水分を含む「水層」、角膜表面に直接触れる「ムチン層」の3層構造になっている。油層の主成分はまつげの生え際にあるマイボーム腺から分泌されるが、なんらかの原因で腺が目詰まりすると、油層の形成が不完全になって水層の蒸発が早まる。

 一方、ムチン層の主成分は結膜のゴブレット細胞から分泌されているタンパク質で、粘性が高く、涙を目の表面に定着させる働きがある。このため、ゴブレット細胞の炎症などで分泌機能が低下すると、涙の保持力が落ちるわけだ。また、コンタクトレンズの長期使用で角膜表面がすでに荒れている場合は、涙が定着しにくいことが知られている。