カルロス・ゴーン・ルノーCEOの続投が決まった。だが、欧州危機が直撃したルノーの業績は低迷している。近年は日産自動車への依存体質が抜けず、両社の均衡が崩れている。

 4月30日、仏ルノーが株主総会を開催し、カルロス・ゴーンCEO(最高経営責任者)の取締役再任が決まった。任期は4年。CEO職を兼務する日産自動車の中期経営計画の終了時(2017年3月)での退任が予想されていることから、ルノーCEOとしての任期は今回で最後となる公算が大きい。

 ルノーが、経営危機にあった日産を救済するかたちで資本提携を締結したのは1999年のこと。それから15年。両社の立場は逆転した。ゴーンCEOの経営手腕で日産が復調した一方で、欧州危機に見舞われたルノーの業績は低迷している。それに伴い、近年ではルノーによる日産への依存体質が顕著になっている。

 まず、数字を見れば明らかだ。13年12月期決算で、ルノーは当期純利益820億円(5億8600万ユーロ)と最終黒字を確保した。だが、日産からの持分利益2097億円(14億9800万ユーロ)の貢献がなければ、最終赤字に転落していたところだ。