そのため、「英語スキルを身につけるにはどうすればいいですか?」との問いを、しばしば日本人ビジネスパーソンから受ける。今では中小企業レベルでもTOEICを課すところが多く、昇進の条件になっているケースも当たり前にある。「英語はできて当然」という風潮が常識になってきている。

 だが、現実のビジネスパーソンには四苦八苦している人が多いという。彼らから話を聞くと、大抵このような答えが返ってくる。

「英語を勉強したくても、業務が忙しくて時間が取れない」

「教材やら英会話スクールがあふれていて、何がいいのかわからない」

「高い教材買ったらそれで安心してしまって、続かない」

「始めようとしても、なかなかきっかけがつかめない」

留学後の最初のクラスでダメ出し
粉々に打ち砕かれた筆者の自尊心

 筆者の見るところ、これの行動はすべて「自己愛型」である。

 彼らの気持ちは、筆者もよくわかる。もともと筆者も英語が苦手なくせに、海外志向だけは強くて、「英語ができるはずの自分」を夢見つつ、「英語ができない自分」という現実から逃げるという自己愛型行動をとっていた。

 高校では当初、英語の試験は学年で最下位5%に入る赤点続きで、その後頑張って勉強したものの、大学受験の頃にやっと学年平均をちょっと上回ることができたくらいだった。

 その後、何とか米国の大学院に留学したが、留学後の最初のクラスにおいて、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、事前に練りに練った内容の質問を担当教授にしたとき、彼から返ってきたコメントは「 I don't understand your English」だった。

 ショックを受けた筆者は、その後英語のできる友人たちを捕まえては、彼らの勉強法、上達法を尋ねた。

 そこでわかったことは、どの教材が良いとか、どの英会話スクールが良かったとか、そんな表面的なことではなかった。英語が上達した友人たちに共通していたのは、「できない自分を受け入れる」ことだった。その上で、彼らはそこから脱却するための方法を模索して行ったのだった。その方法は、人によって違っていた。