仕事もMBAもデッドラインの筆者を横目に
旅行やNPOを楽しむ驚異の外国人クラスメート

シンガポールの高層ビル群。ビジネスも熱いが、8月の猛暑はリーゼントには辛い

 僕がシンガポールへ転職して、すぐに「ホワイトカラーエグゼンプション」の洗礼を受けたことは、連載第5回第6回までの記事でお伝えしたとおり。ボクシングにたとえるならば、最初に「残業ゼロ」という概念のジャブを喰らい、次に複数のグローバルプロジェクトの担当による「膨大なメールと仕事量」というフックを受け、トドメは睡眠不足というアッパーパンチだ。

 “仕事+勉強”により「睡眠2時間&眠気覚ましのコーラ」で激太り(0.1トン)という、自分史上最高の忙しさと体重激増といった最悪の事態に陥ってしまった、というのが前回までのくだりだ。

 この後すぐに「華麗に状況打破!」と行きたいところだが、しばらくこの悲惨な状況は続いた。ストレスと眠気解消のために手にしたコーラのお蔭で、体重も激増したままだ。毎日計測していなかったが、もしかして0.1トンの大台に乗ってしまった時期もあるかもしれない。毎日の睡眠時間も2時間だったし、今考えると色々な意味で恐ろしい時期だった。

 僕自身はそんな体であったが、驚くことに同じクラスのメンバーは違ったのだ。僕がこんなに疲弊しているにもかかわらず、彼らの生活は実に優雅なものであった。

 外国人のクラスメートたちは、仕事も勉強も短時間でこなした上で、子どもの学校イベントや家族や知り合いとの食事やパーティーに、頻繁に出かけていた。さらには、クソ忙しいときだというのに、家族旅行に行ってしまう。彼らは仕事も課題をこなしつつ、思いっきり人生も謳歌していた。