三つめは国際政治要因です。アメリカとの新型大国関係は、この2年中国政府は努力しましたが、実際はなかなか難しいということが分かってきた。サイバー関連など、軋轢も生まれています。思ったようにはいかないという思いが中国側にはあるのではないでしょうか。そうすると、これも中国共産党の伝統的な方法ですが、アメリカとうまくいかないときは、日本との関係を大事にしなくてはならないという考えが出てきます。

 ただ、この三つよりも、「強硬姿勢を維持した2年間で、中国はいったい何を得たのか」ということです。「石原さん、内政問題を解決するチャンスをくれてありがとう」と内心、思っていたのかもしれませんが、それで、中国は得をしたのか。

 ナショナリズムを高められた、習近平国家主席が「中国の夢」を語って、人民の支持を高められたかもしれません。しかし、国益はどうか。何もないですよね。

 逆に海洋進出によって日米のみならず、フィリピンやベトナムと衝突してしまいました。外交関係がうまくいっている国は、韓国とロシアくらいでしょう。

首脳会談は「闘争モード」転換に不可欠
基本の確認だけでも大きな進歩

――アメリカはリバランス政策で、アジア重視に動いています。三つめの国際政治要因は、数年前と比べて日中関係において非常に大きな影響を与えるようになっているように見えます。

 基本的に、中国はアメリカとは仲良くしたい。なぜならアメリカは唯一のスーパーパワーを持つ国だからです。アメリカを敵に回すと厄介だということは中国も当然認識しています。だからこそ、盛んに「新型大国関係」ということで秋波を送り続けています。

「新型大国関係」は対等の関係を求めています。中国も経済発展が進み自信が出てきたのでしょう。東シナ海や南シナ海から、最終的には出て行ってほしいということを言う人もいます。

 しかし、先ほど述べたように、なかなか中国が思うような関係をアメリカとつくることができていない。むしろ、中国の軍事力が高まってきて、緊張が高まっているという面もあります。

 中国内部でも批判があるようです。日本に対して強硬な姿勢を維持し、アメリカに新型大国関係を求めるというやり方で、得たものはあるのか。このままじゃどうしようもないだろう、と。