仲間を見つけよう――起業は個人競技ではない

 マサチューセッツ工科大学(MIT)公開講座コース「新会社の起業」では、時間の制約から、著書『ビジネス・クリエーション!』で紹介する24ステップを実践するためのチームを2週間で結成します。チーム作りには短すぎるかもしれませんが、学期中に24ステップを経験するためには妥当な期間でしょう。チームのうちいくつかは、ビジネスに発展するアイデアを生み出して固定化される一方、多くは、長期的なビジネスチャンスをつかもうと学期末あたりで発展的な再編成して、より団結した強力なチームに変わります。これは進化のための重要なプロセスです。

 共同創業者の選択は、とりわけ重要です。MITの調査結果によると、創業は個人よりも、複数の共同創業者で行なうほうがうまくいくようです(註2)。

(註2)EdwArd B. Roberts, Entrepreneurs in High Technology: Lessons from MIT And Beyond (New York: Oxford University Press, 1991), 258.

あなたが目指すべきゴール

 新しいビジネスのアイデアと技術を特定できたら、著書で紹介する24ステップを通じて事業計画の内容を徹底的にチェックし、具体化していきます。最初の目的は、潜在顧客のニーズを評価することです。まず、ターゲット顧客を特定し、プロダクト・マーケット・フィット――製品と特定の市場の顧客が買いたいと思うものとが一致している状態――を実現しましょう。

 焦点を絞ることが重要です。起業家にはやるべきことがたくさんあるだけでなく、資金的制約も大きいからです。ターゲット顧客を特定するうえで絞り込みこそ重要な作業のため、24ステップのうち最初の5つはそれが課題になっています。