アップル、サムスン、中国メーカー
スマホ市場で起きる地殻変動の行方

 最近、スマートホンの機能の拡充ぶりを見ていると、「近い将来、IT関連のかなりの機能がスマホに集約される」との見方が、あながち荒唐無稽でないことがわかる。家電製品などのモノと通信回線を結んで、スマホを通してそれらのモノを制御するIoT(Internet of Things)のシステムが確立されると、制御方法をインプットする端末が必要になる。今のところ、その役割を果たす最も有力な候補がスマホと言われている。その意味では、今後のスマホの事業展開には大きな潜在性があると言えるだろう。

 今回のアップルの決算発表で、そのスマホ市場に変化が起きていることが明らかになった。それは、アップルのプレゼンス上昇と、同社のライバルであるサムスンの凋落ぶりだ。

 サムスンは、先行した中国市場でアップルの後塵を拝しただけではなく、自国の韓国でもそのシェアをアップルに食われているという。韓国の知人にヒアリングしてみると、「もともと韓国の人は自国のブランドを好む傾向があるのだが、サムスンについてはやや勢いを失っている」という答えだった。

 サムスンがモメンタムを失っている理由の1つに、同財閥を牽引してきたカリスマ経営者であるイ・ゴンヒ氏が、健康上の理由で経営の一線から退いていることがある。また今まで、同社がわが国の技術者などを引き抜き、短期間で先行するわが国メーカーを追い越してきた戦略に、限界が出ていることもありそうだ。

 引き抜いた技術者を使って先行する企業に追い付くことはできても、新しい技術や製品を開発してライバルを追い越すことは難しい。しかも、それを打ち破るだけの高いブランド力を持っていない。現在、サムスンはそうした壁にぶつかっていると見られる。