企業に入社しても営業ならばノルマの達成、そのほかの部門であっても目標を達成することはついてまわる。その時、たとえ目標が「優勝」といったものではなくなったとしても、どういうプロセスを踏めば達成できるのかを考える癖がついているのは非常に大きい。したがって、こうした目標達成のエピソードは企業側からも魅力的に映りやすい。

 アスリートプランニングの蔭山尊・執行役員は、「普通の学生は自分の経験を背伸びして“すごい経験”として表現しがち。一方の体育会学生は演出なしに語れる経験が保証されている」と、普通の学生との違いを分析する。

超多忙でも効率的に行動
優れたスケジュール管理能力

就職イベント開始直前には体育会学生の長蛇の列に。体育会系だけにほとんどが引き締まった体をしていた Photo:DOL

 次に挙げたいのが、スケジュール管理能力と効率性だ。体育会学生はとにかく忙しい。東北大学ラクロス部に所属する男子学生は、「朝6時半から練習、その後午前から夕方まで大学の授業があり、家では研究室の課題やテスト勉強をする」と言い、ダラダラ過ごす大学生像とは大きくかけ離れている。

 そんな彼らにとってみれば、さらに忙しくなる就職活動中も、スケジュール管理はお手のもの。慶應義塾大学の体育会系の部活に所属し、この春から大手不動産企業に入社する学生の就職活動中のスケジュールはこうだった。まず朝は早起きをし、エントリーシートに記入。昼は大学の授業を受け、その合間にOB訪問へ。夕方からは部活に向かう。睡眠時間は「1、2時間でも平気」だそうで、部活から帰宅した後の時間も企業研究に時間を使ったという。

 また、やみくもにエントリー企業数を増やさないことも彼ららしい。マクロミルが行った調査(2014年)では企業エントリー数の平均は33.5社だが、東京六大学の体育会学生を中心に話を聞くと、その数は平均10~20社。「普段から忙しいため、優先順位をつけて無理なものはやらないようにしている」(早大体育会学生)そうで、こうしたところは社会人になってから求められる能力としても非常に重要な点だろう。