出産を経験した40~50代のオトナの女性がぶり返すことがあるのが頻尿や尿漏れだ。治療法には薬物治療や手術があるが、大半は適切なトレーニングで治すことができる。『ダイヤモンドQ』編集部では、その具体的な事例を紹介する。
歩いているだけでも漏れてしまい
情けない気持ちが常に晴れなかった
最初は「あ、やっちゃった」程度の小さな失敗だった。
静岡県のNさん(57才)が、尿漏れの悩みを抱えるようになったのは4年前。友人との談笑中にくしゃみをした途端、ジュッと漏れた感覚があり、驚いてトイレに立つとスカートに染みるほど漏れていた。
以来、症状は進行し、時には普通に歩いているだけでも漏れてしまう。尿漏れパッドでしのいではいたが、情けない気持ちは常に晴れなかった。そんなある日、テレビ番組で女性医療クリニックLUNAの理事長、関口由紀医師のメッセージを聞いた。「女性の3人に1人は尿漏れ経験者。もう一生我慢する時代ではありません」。尿漏れは、骨盤底筋トレーニングや日帰り手術で治すことができるという。Nさんは受診を決めた。
診断は腹圧性尿失禁。内診台に乗り、大きな咳をする検査を受け、耐え切れず尿が漏れたことから確定診断がついた。関口医師は、まずは骨盤底筋トレーニングを受けてみて、それで改善しないようなら手術をしてはどうかと勧めたが、一刻も早く悩みから解放されたかったNさんは手術を希望した。