50才を過ぎたオトナ男性の2割は軽い尿漏れの経験があるらしい。日常生活に支障を来すほどの困った事態ならば、医療機関を受診して治療を受けるという選択肢がある。今回、『ダイヤモンドQ』編集部で取り上げるのは、男性の排尿障害。
ちょい悪オヤジはカッコいいが「ちょい漏れオヤジ」は情けなく、切ない。
あるメーカーの調査によれば、50代男性の2割は、ちょい漏れ(軽い尿漏れ)の経験者だ。そんな数字を反映し、男性用尿漏れパッドの愛用者はじわじわ増えているらしい。
ちょい漏れの主たる原因は前立腺肥大症。尿道を取り巻くようにある前立腺が肥大し、排尿障害を起こしやすくする病気で、日本人男性の80%が、80才までには罹患するといわれている。
原因には加齢・男性ホルモンの減少・喫煙・肥満などの影響が考えられているが、「はっきりしたことはまだ分かっていません」と吉田正貴・国立長寿医療研究センター手術・集中治療部部長は言う。
前立腺肥大症の症状には、尿をうまく出せなくなるなどの排尿症状障害だけでなく、尿意を我慢できなくなったり、頻尿になったりする蓄尿症状障害、残尿感が残るなどの排尿後症状障害も含まれる(下表参照)。
ごく初期には、軽い蓄尿症状障害が出現し、やがてさまざまな排尿症状障害を経て、尿道が閉鎖して排尿できなくなる尿閉へと悪化の道をたどる。ただし、治療すべきか否かは、前立腺肥大の程度よりも、むしろ本人の困った度による。