経営に必要な
「求心力」と「遠心力」

――理念そのものも大事になりますね。

西澤 そうなんです。企業理念がしっかりしていて伸びている企業、例えば、ユニクロ、楽天、ソフトバンクなど、こういう企業は「社会に対してこうあるべき」という、極めて明確でシンプルなメッセージを持たれている。そこに求心力があるんですね。

 私は経営には「求心力」と「遠心力」が必要だと思っているんです。私たちのグループには、幸い、私よりも能力、センスのある強い経営メンバー・事業家がたくさんいます。なので、私は会社を「どう求心するか」を考え、彼らには事業を「どう遠心させていくか」を考えてもらう。

 私の役割は求心になるわけですが、会社が大きくなって、役割が多くなって、いろんなタイプのメンバーが入ってきて。職種も世代もバラバラでダイバーシティになってくる。

 そうなると、多様化した社内をどう一つにまとめていくか。どんな考えにとりまとめていくことが大事か。絶妙なデザインが必要です。難しいですが、ここをしっかり描くのが経営の醍醐味だと思っています。

 このデザインをしっかり描くことを成し遂げないと絶対会社は大きくならない。深いなあ、と思います。

――西澤さんの経営に対する考え方を支えているものは何ですか。

西澤 人としては両親を尊敬していますが、経営という面では、とにかく書籍をたくさん読みます。現代の名経営者の本も読みますが、特に歴史は読みますね。国作りと会社作りは似ているように思いますから。第一次世界大戦、第二次世界大戦、また、日本の戦国時代、幕末ものなどがとても参考になります。

 幕末の思想にはかなり影響を受けていると思いますよ。特に明治維新を起こしたきっかけの学問と言われる陽明学はすごく勉強しました。また、ドラッカーからも影響を受けています。それらを掛けあわせて、今の経営に対する考え方の基礎ができていますし、それらの考えを身に付けることで、経営の現場でブレなくなりました。