世界の「金利水没」のなかで
「浮き輪」のように突出する米国

米国の利上げは確実とみられるが…。写真は下院融サービス委員会の公聴会席上のイエレンFRB議長(11月4日) Photo:Federalreserve

 12月16日、米国FRBによる政策金利の引き上げが見込まれる。利上げは2006年以来、約10年ぶりの大きな転換を意味する。FRBの関係者はイエレン議長をはじめ年内の利上げを強く示唆するコメントを行っていただけに、今回の利上げは既定路線とみていい。ただし、ここでは今回の利上げをめぐる環境がかつてない状況にあることを、米国国内要因と海外要因から考える。

 まず、国内要因としては、ゼロ金利、しかも量的緩和にまで至った状況からの、初の利上げであることだ。海外要因については、下記の図表1、「世界の金利の『水没』マップ」のなかでその特異性を考えてみよう。

「水没マップ」は基本的に国別・年限別の国債利回り、イールドカーブ状況を示す。マイナスになった「水没した」ゾーンを濃く示しており、0%以上0.5%未満、0.5%以上1%未満、1%以上と徐々に色を薄くしている。

 欧州の北の諸国は軒並み長期ゾーンまで水没状態が続き、日本も中期までが水没している。今回の論点は、世界の多くの国々が水没するなか、米国は水没せず、世界の海で「浮き輪」のように浮き出ていることにある。

◆図表1:世界の金利の「水没」マップ(2015年12月9日)

(資料)Bloombergよりみずほ総合研究所作成
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