300kgのバイクで転んだらどうなるか

 2015年末の第128講「ハーレーダビッドソンの客はなぜ乗らずに買うのか」は、独自コミュニティとスタイルの価値を説いたものでしたが。その甲斐あってか、一部の、しかし日本中のハーレーファンから多くの「いいね!」をいただきました。その数なんと1600!

 新年はその勢いのままに、私がちょうど8年前の1月に遭遇した、「経済的全損事故」についてのお話を。

 2008年1月末、公道上、バイク(ハーレーVRSCD ナイトロッド07年式)で転倒しました。

 時速約60km。片道3車線道路(国道246号線)の左車線を通行中、右前方の車がいきなり車線変更し、私の前に躍り出ました。逃げる場所もなかったので、反射的に前後輪フルブレーキ。そして直後に転倒。前輪がロックしての典型的な転倒です。

私は秒速16m強で路面を滑り始めます。幸いにも前や横に放り出されることなく(*1)、地面を滑走するバイクの真後ろを真っ直ぐに転がり続けました。バイクは私の10m前を、左側面を下にして、ゆっくり回転しながら高速滑走状態。質量300kgの物体は、そう簡単には止まりません。大きな火花を2本、高く舞い上げながら滑り続けるそれは、とってもキレイでした。

 そんなことを思いながら、私自身の滑走は最後、回転運動へと変わり、ゴロゴロ2回転。

 ようやく停止した後、路上で「しばらくこのままでいたいなぁ」などと考えましたが、そんなことをしていたら後続車に轢かれるかも知れません。よろよろ路肩に歩き、座り込みました。

 でもその前に確認していたのは、私の目前に進路変更してきた車の所在。まさか、行っちゃわないよなあ。私の前方50mくらいでその車のブレーキランプが付いたときは一安心。車種が新しめのBMWであることを確認してまた安心しました。保険は大丈夫そうだねえ。

*1 前ならバイクに、右なら後続車に、左ならガードレールに激突していた。