履歴書の間違いで解雇される場合も!
人材紹介の仕事を始めてから20年以上経ちましたが、ずっと定期的に遭遇するのが候補者の「履歴書詐称」です。感覚値では年に1回はこういう人と遭遇します。
ただし詐称といってもかなり幅があり、最初から相手を騙す気マンマンの本物の詐欺師からちょっと経歴を誤魔化そうとする人、そして悪意はないが結果として経歴詐称になってしまった人がいます。
読者の大多数を占める善良なビジネスパーソンに気をつけてほしいのが悪意なき履歴書詐称で、その原因はたいてい記憶違いによる記載ミスです。また、たまに見かけるのが履歴書と職務経歴書で勤務先の在籍期間が異なっているケース。履歴書は日本の元号、職務経歴書は西暦で書いているときにこのミスが起きやすいようです。単純に書き間違い、数え間違いが原因なのでしょう。
つい最近も履歴書と職務経歴書の在籍期間が一致しておらず「これ、1年ズレていませんか?」と指摘したことがありました。こうした間違いは「些細なミス」だと受け止める候補者の方が多いですが、軽く見てはいけません。まず、発覚した時点で「その後の人生を左右するかもしれないこんな大切な書類で間違えるのか」と我々や企業の人事はがっかりします。
選考プロセスの途中で気がつけばまだいいのですが、入社後に発覚したら単なる間違いでは済まされないこともあります。就業規則によれば、会社は履歴書詐称した人を解雇できます。クビにならなくとも、さかのぼって内定取り消しにされる場合もあり得ます。
いくら本人が「悪意はなかった」といっても、それを証明する手立てはありません。履歴書に間違って記入した在籍期間が実際より短ければまだよいですが、長いと「経歴を飾るためにわざと間違えたのでは?」と、せっかく内定を獲得した会社から悪意を疑われても仕方がありません。