景気後退は当面見込まなくてよい
だが動向を注視する必要あり

 米国経済はこの通り、軟化の動きがあるが、それで2期連続マイナス成長の景気後退に至るかという懸念については、当面、深刻視する必要はない。だが、事態の注視は要る。

 景気後退は、長短金利差が先行指標になる。金融政策の引き締めによる場合が大半であり、長短金利の逆転が起きて、景気後退に至っている(図2参照)。その長短金利差で見ると、今、景気後退を見込む必要はなさそうである。

◆図2 長短金利差と経済成長

(出所)米国商務省 FRB

 しかし、注視は要る。まず、労働需給は引き締まりを見せている。この引き締まりがさらに強まると、金融政策は利上げを進めざるを得なくなる。一方で、リスク資産からのシフトで、長期金利は下がり、長短金利差は縮小していく。景気後退に陥る懸念が高まる経路をたどっていないか、日々の市場の動き、発表される経済指標の確認を怠ってはならない。

不安は政策対応の不透明感
金融政策は身動き取れず

 米国経済は危機から6年で立ち直りを見せた。同国経済の強みは危機を克服することにあるという見方があり、今回も、それが如何なく発揮されたことになる。その源の一つは、政策対応になるが、今は、そこに不安がある。

 まず、金融政策であるが、身動きが取れないところがある。この6年半で奇跡の危機克服を果たしたメインエンジンは、果敢な量的緩和がもたらしたとみられる資産価格の上昇と言ってよい。

 今は、失業率が4.9%まで下がったので、追加的な金融緩和には慎重にならざるを得ない。しかも、量的緩和の出口を出ることが非常に難しいことがわかった。