「時間がない」「忙しい」「そんな暇はない」などと、言い訳をしている人は少なくないのではないでしょうか。大事なのは、未来につながるようなことに時間を投資することです。時間をコントロールして、将来のための時間を作りましょう。
思考法から発想術、文章術、読書術、プレゼン術、図解術、交渉術、成功哲学まで、本当に使える仕事術を1冊に凝縮した新刊『ビジネススキル大全――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術』より抜粋し、紹介していきます。
「時間がない」と言い訳する人のためのスキル
「夢を叶えるために、何かやっていることはありますか?」と聞かれたら、堂々と「これを毎日欠かさずやっています」と答えられる人は少ないのではないでしょうか。そして、その言い訳として最も多いのが「時間がない」というものです。でも本当に「時間がない」のでしょうか?
それ以前に、「時間」について、考えたことがあるでしょうか?「時間」とはいったい何でしょう?「時間がない」という言い訳をしている人たちは、自分の時間は自分でコントロールできないものだと思い込んでいるのです。諦めていると言い換えてもいいでしょう。
講演家で作家のハイラム・W・スミスは「あなたは時間をコントロールできる」と断言します(『TQ』)。本書は、時間に関する多くの気づきを与えてくれました。
私は社会人になったばかりのころ、上司や先輩に言われるままに突っ走っていました。やらなきゃいけない作業は次々とやります。いつ終わるのかわからない、仕事をどんどんこなしていくうちに、ちょっと変だぞと思うようになりました。効率よく仕事を処理しても、さらに仕事を振られるだけだということに気づいたのです。
以来、私は未来につながるようなことに時間を投資しようと思いました。私たちはどうしても目の前の仕事にばかり目がいってしまい、長期的な利益を後回しにしてしまう傾向があります。時間をコントロールして、将来のための時間を作るのだと、私は決意しました。
出来事をコントロールするという考え方を受け入れる
ハイラムは「時間とは出来事のことである」と定義しています。「時間とは、出来事が過去から現在、未来へと続いていく連続体である」と辞書(英語版のウェヴスター辞典)にあるように、時間を計る基本的な単位は出来事なのです。
つまり、時間をコントロールするということは、人生のなかの出来事をコントロールするということになります。そこでハイラムは「コントロールできる出来事」と「コントロールできない出来事」を分けて対処しなさいと言っています。
世の中にはコントロールできないことがいっぱいあります。たとえば、「日の出の時間」「台風や雨などの気象」「死ぬこと」「株式市場」などです。反対にコントロールできることもあります。「起床時間」「食事」「服装」「健康管理」などです。
時間をコントロールするという考え方を捨てて、出来事をコントロールするという考え方を受け入れることです。