自分の価値観通りに日々行動する

 大事な用事かどうかは、その人の価値観に左右されます。ですから、まず自分の価値観を知る必要があります。

 以前、10人くらいの経営者が集まって勉強会をしたことがあります。その冒頭で、「過去一ヵ月にやったこと」「これから一ヵ月でやりたいこと」をそれぞれ発表してもらうのですが、ほとんどの人が仕事のことばかり話すのです。大事なことは仕事ばかりで、自分の健康や家族のことは、何も話せない人がほとんどでした。それでは幸せな人生とはいえないでしょう。

 私は妻や子どもの予定も、スケジュール帳に書いています、運動会などの学校行事は、一年くらい先まで決まっていますので、それも書き込んでいます。講演会の依頼がその日に来た場合は、講演会を断るようにしています。それは、講演会よりも、子どもの運動会に価値を置いているからです。子どもの成長は止まりません。可愛い時期は今しかありません。しかも、子どもが親を必要とする時期に親がいないというのは、子どもの将来を考えるとマズいことになるかもしれません。私にとっては、講演会の仕事よりも、子どもの運動会に参加することのほうが、今は大事なのです。

 ハイラムらが実施した価値観に関する調査の結果「人生で最も大切なもののベスト10」は次のようなものでした。

(1)夫または妻
(2)経済的な安定
(3)健康と体力増進
(4)子どもと家族
(5)神/宗教
(6)達成感
(7)正直/誠実
(8)職業上の満足感
(9)人々への愛/奉仕
(10)教育

 日々の行動が、こうした価値観を反映しているとき、人々は「心の安らぎ」を経験します。大切なものを犠牲にしてはいけません。人生を後悔しないために、自分の価値観と正面から向き合ってじっくりと考える時間をもつことです。