短期的な利益は長い目で見ると破滅

 人間の意志は弱いものです。どうしても、短期的な利益を求めてしまい、破滅の道を選んでしまいます。たとえば、喫煙は短期的にはリラックスできて香りを楽しむことができますが、度が過ぎると中毒になり健康を害するはめに陥ります。

 健康のためにダイエットしようと決意しても、つい食べてしまうということがあります。これは私たちの内側で相反する思いが葛藤しているからです。たとえば、ダイエットの場合ならば「健康のためにカロリーの高いものは食事制限しよう」という思いと「好きなものを好きなだけ食べることが幸せだ」という思いが対立しています。この場合、どちらかの思いを修正しなければ、大きなストレスになってしまうでしょう。

 ダイエットが思うように続かなかったら、まずそのときの「行動パターン」を調べてみることです。そして、その行動を生み出している「思い」を見つけます。その「思い」によって生まれる「将来の姿」を予測してみましょう。長い目で見ることがポイントになります。そして、もっと良い結果を生み出す「新しい思い」を明確に書き出してみてください。その「新しい思い」によって生まれる「将来の望ましい姿」を予測して、健康になっている自分を想像してみましょう。

「短期的に利益をもたらすような行動は、長い目で見ると破滅をもたらす」ということはよくあるものです。このことを肝に銘じておくことです。

3つのステップで日課を考える

 毎日やるべき日課を考えるとき、次の3つのステップをおススメします。

 ステップ1  今日達成すべきこと、やりたいことをリストアップする
 仕事だけでなく、家庭のこと、地域社会のこと、緊急でないことも含めてリストアップします。

 ステップ2  各項目の価値を判断する
 ステップ1で列挙した項目をABC分析します。Aは「何が何でも達成しなければいけないこと」、Bは「今日達成したほうがいいこと」、Cは「できれば達成したいこと」です。

 ステップ3  それぞれの項目に番号をつける
 A、B、C、それぞれのなかに優先順位を数字で表してみます。A-1、A-2という具合です。

 最後に、それらをいつやるのかを決め、スケジュール帳に割り振っていきます。

 こうした作業を定期的に実施していけば「今何をすればいいのか」が明確に見えてきます。その結果、人生を豊かに幸せにすることができるのです。

参考文献/『TQ』ハイラム・W・スミス著 黄木信、ジェームス・スキナー訳(ソフトバンク クリエイティブ)