チャート図解を用いて森羅万象を構造オチの笑いに落とし込む「分類王」クリエイションを発表してきた石黒謙吾が、15年にわたり構築してきたのがチャート思考。あらゆるものごとを、目先の対応ではなく、公式を定着させていく基本となる考え方で贈る「頭の漢方薬」的な人生指南である。

 その分類王の盟友、 Dr.イシグロが、ライフハックブームのなか、「スキル依存症」に陥り、仕事やプライベートがうまくいかなくなった人々に警鐘を鳴らす。

 脱「右へならえマシン」、目指せ「問題解決の公式化」。

 ――さて本日も、「石黒総研」に1人のライフハック君(以下、[ラ])が訪れ、Dr.イシグロ(以下、[イ])との面談が始まった……。

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「軽快で面白い話術」とは何なのか?
お笑いフレーズに傾倒する営業マン

[イ] はじめまして。ようこそいらっしゃいました。さて、どのようなビジネス相談でしょうか。まず、お名前と年齢をお聞かせ願えますか。

[ラ] 「朝倉南38歳です」と~か言っちゃってー。うはは、ウケてます?  え?  え? 先生、かなりお年のようですけれども、いとうあさこって知ってますか? 

[イ] …知ってはおりますよ。こう見えてもお笑いは好きなほうでして…しかし、初対面の相談でいきなりこれとは、いさかか驚きを禁じ得ませんな。

[ラ] これは失礼しました、いやほんと。「ごめんねごめんね~!」なんてねー。あ、ちなみに僕、栃木は那須の出身で超地元だから、U字工事は神です。

[イ]…はあ、なるほど。私はライバルの茨城出身ですが、まあそれはそうとして、そろそろ本題に入りたいのですけれども、まずは本名を。それから、お困りの案件はいかがな?

[ラ] 名前は、山田博です…博です…ヒロシです…ヒロシです…。困っていること…それは、いつも一生懸命に軽快で面白い話術で営業しているのに、なかなか成績が伸びないんです。取引先のスーパーの店長は、だんだん僕を避けてるようになってしまいました…。ヒロシです…ヒロシです…ヒロシです…。