チャート図解を用いて森羅万象を構造オチの笑いに落とし込む「分類王」クリエイションを発表してきた石黒謙吾が、15年にわたり構築してきたのがチャート思考。あらゆるものごとを、目先の対応ではなく、公式を定着させていく基本となる考え方で贈る「頭の漢方薬」的な人生指南である。

 その分類王の盟友、Dr.イシグロが、ライフハックブームのなか、「スキル依存症」に陥り、仕事やプライベートがうまくいかなくなった人々に警鐘を鳴らす。

 脱「右へならえマシン」、目指せ「問題解決の公式化」。

 ――さて本日も、「石黒総研」に1人のライフハック君(以下、[ラ])が訪れ、Dr.イシグロ(以下、[イ])との面談が始まった……。


クライアントとのリレーションがイマイチの
コミュニケーション・アーキテクト

[イ] ようこそイシグロ総研へ。これはまた、笑顔でスタスタと席まで来るあたり、相当に元気溢れるご相談者の方で。黒縁メガネとつま先がとがった靴で、おしゃれな印象ですな。

[ラ] それは嬉しいなあ。やはりそこは僕もね、先生とコミットするからにはスタンスをわきまえないとね。どうもこんにちは。コーチング的なミッションということで、僕がクライアントと、先生はサプライサイドとなりますね。そこらのコンセンサス取ったうえで今日はよろしくお願いしますね。

[イ] お、これは“立て板に水”の話しぶりが仕事できそうな感じですね。ええ、私が供給側ということで。で、お仕事はどのような?

[ラ] 大手代理店勤務で、入社5年目。部署はずっと、戦略マーケティングのセクションです。役職名的には、アカウントプランナーというより、コミュニケーション・アーキテクトというのがベストマッチですね。

[イ] ほう。情報を設計するということですか。なるほど。それで、今日のご相談はどのようなことになりますか? 順調そうにお見受けしますので、さらなる御自身の仕事のやりかたや業績躍進を見据えたことでしょうか。

[ラ] ロングレンジのブレークスルーという点からはそれもあるのですが、もっとドラスティックな、フレームワークとして求めるアジェンダですね。