『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

「交友や愛の課題」から逃げるため必要以上に仕事に熱中する

ワーカホリックが抱えている「意外な問題」とは?

 休みも取らず、毎日深夜まで働く、ワーカホリックと呼ばれる人たちがいます。では、彼らはそれほどまでに仕事が好きで仕事を愛しているのでしょうか?

 もちろん、そういう人もいるでしょう。しかし、そうではない人もいる。交友の課題や愛の課題から逃げ出すために、仕事に熱中している人も多くいるのです。

「妻との関係が冷え切っているから、家に帰りたくない。だから、妻が眠りにつくころまで毎晩のように会社にいるんだ」と明言している友人がいました。彼こそはまさに、愛の課題から逃げ出すために、必要以上に仕事の課題に熱中している例と言えるでしょう。

 彼らが仕事に熱中する理由は、「今ある交友や愛の課題」から逃げるためだけではありません。「未来の交友や愛の課題」から逃げるためにも仕事に救いを求めることがあります。例えば「結婚したいけれど仕事が忙しくてできない」という人がいます。アドラー心理学的に見れば、この人は、本当は結婚したくないのです。結婚に失敗し、人生に敗北したことが露見するのを恐れるあまりに、課題に直面することを避けているのです。

「仕事が忙しくて友だちができない」というのも同様です。彼らは「友だちづきあいがうまくできない」という敗北が露見するのを避けるために、必死に仕事をし、友だちを作らないように努力を続けているのです。

ワーカホリックが抱えている「意外な問題」とは?アルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

※本連載は日曜日以外の毎日更新します。