「戦後最大の経営危機」「コロナ倒産はこれからが本番」といわれている今、経営者にとって経営環境の過酷さは増すばかり。そんな中、衝撃の一報が入った。
「これまで一切封印してきたが、今回初めて、プレミアム合宿を公開することにした」
電話の主は、株式会社武蔵野の小山昇社長。自社を18年連続増収、750社の指導で5社に1社は過去最高益・倒産企業ゼロに導いたあの経営指導のカリスマだ。理由を聞くと…
「コロナ禍で全国の社長が苦しんでいる。見て見ぬふりはできない。大ピンチを大チャンスに変えてほしい。実際、当社も指導企業もとことん社員が明るい。今は、夢と希望しかない」
そんなプレミアム合宿を一冊に凝縮した小山社長の最新刊『門外不出の経営ノート――2泊3日で165万円! プレミアム合宿LIVE講義』がいよいよ発売。日経新聞にも掲載された。
聞けばこのプレミアム合宿。箱根・山のホテル(旧岩崎小彌太男爵別邸跡)で開催され、2泊3日で165万円(税込)だという。誰がそんな高額セミナーを受講するというのか?
しかし、「12名限定」でキャンセル待ちが続いているという。しかも、参加したダントツ社長からは「165万円は安い」という声が出ているとか。一体全体どういうことなのか?
今回は、経営のカリスマに指導を受けたダントツ社長に「嘘のような本当の話」を紹介してもらおう。
(構成・寺田庸二)

暗い建設会社に<br />活気が満ちあふれた<br />小山式「25%の法則」Photo: Adobe Stock

「25%の法則」とは?

暗い建設会社に<br />活気が満ちあふれた<br />小山式「25%の法則」小山昇(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野 代表取締役社長
1948年山梨県生まれ。東京経済大学を9年かけて卒業。「大卒は2人だけ、赤字続きだった武蔵野」を18年連続増収の優良企業に育てる。現在、750社超の会員企業を指導。5社に1社が過去最高益、倒産企業ゼロとなっているほか、日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。今回、これまで一切封印されてきた武蔵野史上最高額のセミナー「実践経営塾 箱根プレミアム合宿」のノウハウを初公開した『門外不出の経営ノート』を出版。『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』『強い会社の教科書』『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』『1日36万円のかばん持ち』『残業ゼロがすべてを解決する』『数字は人格』『お金は愛』などベスト&ロングセラー多数。

今回は東北のダントツ社長です。株式会社後藤組の後藤茂之社長です。

今から10年前、私が実践経営塾に参加してすぐのときです。

小山社長が講義の中で、「新卒採用が大事だ」と話しました。

その話を聞いた私は、内心、こう思っていました。

「武蔵野が毎年新卒採用できるのは、業績が右肩上がりだから。うちのように右肩下がりの建設会社に、新卒採用なんて無理無理。仕事が減って売上も減っているのに人件費が増えたら、会社は回らない」

そこで小山社長に、「そうはいっても......」と異論を唱えると、小山社長は10年前の武蔵野の経営計画書を持ってきて、

「後藤さん、いい? 武蔵野は毎年新卒を10人以上採用しているけれど、社員の総数は増えていないよね? 大丈夫。新卒を入れても社員の数は増えない。だから人件費も増えない」

当時の武蔵野は、今ほど社員の価値観が揃っていませんでした。

それにあの頃はまだ、新しい人をすぐに採用できる時代だったので、小山社長も今ほど人材戦略に力を入れていなかったのでしょう。

今の武蔵野は、価値観の合わない人が去り、合う人だけが残っています。

新卒に関しても、価値観の合う人だけを採用している。だから人が辞めない。

後藤組でも、今から10年前に、清水の舞台から飛び降りるつもりで、新卒採用を始めました。

すると、どうなったでしょう。

「人が育つ」ようになった。

新しい人が入ってくると、今いる社員に危機感が芽生え、「頑張ろう」「追いつかれないようにしよう」「先輩として恥ずかしくないようにしよう」と思うようになります。

小山社長はよく「25%の法則」といって、「商品、お客様、従業員に関して、5年以内にそれぞれ25%を新しくすると業績が上がる。従業員の25%が5年以内に採用した人材だと会社が変わる」といっていますが、まさにそのとおり。

新しい人が入るのと入らないのとでは、雲泥の差。

まず社内の活気が違う!

2018年度は4人、2019年度は5人、2020年度は6人、新卒を採用しました。

同規模の建設会社と比較して、当社が採用にお金をかけているのは、「新卒採用が会社を大きく変える起爆剤になる」ことが身にしみているからです。