コロナ禍で皆さんの営業は、どのように変化しましたか?「直接面会できない」「商品・サービスを見せられない(伝えられない)」「相手先の会社や個人の雰囲気・空気がつかめない」「直接相手を訪ねていくことで示せていた誠意が伝わらない」など、これまでの方法ではうまくいかず、悩んでいた時期もあるでしょう。しかし、その反面、営業成績が落ちるどころか、伸ばしている人がいることも承知のはず。何が違うのでしょうか。その違いは、すでに7年読み継がれている本書『「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』で明かされています。そして、オンライン営業のスキルを加えてパワーアップしたのが、『[新版]「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』。本書よりいつの時代もどんな業種でも結果を残す営業スキルを伝授します。

「お客様に売る」営業マンがダメな理由Photo: Adobe Stock

「売るのではなく、買ってもらう」

 私が29歳のとき、この言葉は私が読んだある冊子にありました。それについて、詳しい説明が書いてあるわけでもありません。「営業マンが売るのではない。お客様に買ってもらうのだ」とだけ書いてあったのです。このたった一行が私にとっては衝撃でした。

 この意味は次のようなものです。

「真の営業マンは、決して『売らない』。なぜならば売るという行為は営業マンが行うから。真の営業マンはお客様に『買ってもらう』。それは、お客様が自らの意思で、自発的に行うものなのだ」

 これを読んだときから、「売るのではなく、買ってもらう」が私の営業における理想であり、目標となったのです。

 ただ、この目標は、あるときは私の励みになり、あるときは私を苦しめるものにもなりました。なぜならば、意味はわかっても、実現するのは非常に難しかったからです。

 私は当時、人材教育カリキュラムの営業を担当していました。お客様の多くは経営者の方々で、首を縦に振らせることがなかなかできません。そこで、私は若さを売りに、最後には熱意で押し切りました。

「社長、この教育は必ず御社にとって、大きな利益を生み出します。ですから、ぜひ取り組んでください!!」

 お客様の社長はしばらく考えたのち、たいてい最後にこう言いました。

「青木さん、あなたの熱意に負けたよ。じゃ、取り組んでみるよ」

 私は「お客様は私を信用してくれたんだ」と思い込んでいました。

 ところが、帰り道、必死で営業したことに対する妙な疲れとともに、私の心の中から「お前、また売ったな」というささやきが生まれてくるのです。私には、「そうなんだ。結局は、私が押し切って売ってしまったのかもしれない」という反省が残りました。

 もちろん、このような「売る」営業ばかりではありません。「買ってもらう」こともありました。それはお客様が人材教育について、すでに興味を持っている場合です。

 ところが、そういう場合は私が話をしなくても買われます。問題は、それ以外の人にどのように営業するか、です。