
【ワシントン】2020年米大統領選挙への出馬を表明している民主党のジョー・バイデン前副大統領は6日、人工妊娠中絶への公的資金支援を容認する姿勢を示した。民主党内や中絶の権利保護を訴える団体からの批判を受け、これまでの立場を一転させた。
バイデン氏はこれまで中絶への公的資金支援に反対していたが、アトランタで行った演説で、公的医療保険から緊急性のない中絶費用を出すことを禁じた「ハイド修正条項」をこれ以上支持することはできないと述べた。また共和党が中絶を制限し、女性の中絶の権利を保障した連邦最高裁の「ロー対ウェイド事件」判決を覆そうとしていることを批判した。
バイデン氏は「ロー対ウェイド事件」判決について、「以前は今ほど風当たりが強くなることはなかった。時代が変わった」と指摘。そのうえで、共和党がこの判決を「無効化するためなら何でもするということが明確になった。われわれは同じくらい強硬にこれを守る必要がある」と訴えた。
「妊娠中絶権擁護全国連盟(NARAL)プロチョイス・アメリカ」などの団体は5日、バイデン氏が中絶への公的資金支援の制限を支持していると批判する声明を発表していた。こうした団体は依然として民主党政治に大きな影響力を及ぼしている。