2022年度入試は「強気」で臨もう
安田 少子化がこれからも大学入試に大きく影響を与えていくことは間違いありません。
後藤 2022年から3年連続で2万人、2万4000人、3万5000人と18歳人口が減少しますから、21年と24年を比べると8万人も少ない。その分、大学入試は易化するので、浪人すれば、より上位の大学に進学しやすくなります(笑)。
安田 21年度は私立大での定員厳格化で大胆に合格者を発表できず、定員を超えないように少しずつ合格者を出していったので、繰り上げ合格が大量に発生して大変でした。
後藤 それでも間に合わず、半分の私大が定員割れになったわけです。
――22年度入試の注目点ですが、以前触れたように、大阪府立と大阪市立が一緒になって、大阪公立大が募集を始めます。学部数は大阪大と同じ11学部を数え、加えて現代システム科学域(入学定員260人)もありますね。
安田 公立大では東京都立大を抜いて最大規模になります。学部の学生数で見ると、国公立大全体でも東京大、大阪大に次ぐ第3位という巨大な大学の誕生です。他に公立大では、川崎市立看護大(入学定員:看護学部100人)が新設されます。
後藤 国立大の新設学部では、奈良女子大の工学部(入学定員:工学科45人)が注目されます。地方創生と理系学部の問題はこれから問われていきますので。
――次回、その問題を取り上げるとして、最後に2022年度の大学入試に臨む受験生へのメッセージをお願いします。
安田 とにかく強気で受けてほしいと思います。実力相応や滑り止めは受けるのでしょうから、手の届かないところだと思っても、積極的に受験してください。繰り上げ合格もありますし、その方が受験に臨む士気も上がるでしょうから。
後藤 浪人覚悟ぐらいの強気な姿勢が功を奏するでしょう。万一、浪人しても人口減はさらに進みますから大学入試は楽になります。今回、うまくいかなくても、次は、より難関大学にチャレンジできるようになりますよ。人生100年時代ですから、1年なんか100分の1です。こうして心にゆとりを持って挑んでください。