島崎 晋
人類は過去に何度も経済危機を経験してきた。経済危機の要因は大きく5つに分けることができる。「天災」「戦争」「税制」「通貨」「金融」の5つで、現実には単独ではなく、複合的要因に拠ることが多い。感染症の流行は少し展開が異なり、感染防止のために地域封鎖を行えば、経済活動が止まって財政的に行き詰まる。流行が終息しても、労働人口が減少していれば生産性の低下が避けられず、農村人口が激減した地域では貧富の差がさらに広がるところもあれば、逆に待遇が改善されるところもあった。

人類は過去に、ペストや天然痘といった感染症のパンデミックを何度も経験してきた。これまでに日本と世界で起きた感染症は何が発生源だったのか。当時の為政者や民衆はどのように対処してきたのか。流行の前と後で何がどう変わったのか……パンデミックの歴史を探ることで、現状を変化させるヒントが見つかるかもしれない。そこで今回は日本がかつて戦ってきた感染症の歴史を解説していく。

3月11日のWHO(世界保健機関)による「パンデミック」宣言から約2カ月、より勢いを増して世界で猛威をふるっている新型コロナウイルス。いまだ終息が見えず不安な日々が続いている。しかし、人類は過去に、ペストや天然痘といった感染症のパンデミックを何度も経験してきた。これまでに日本と世界で起きた感染症は何が発生源だったのか。当時の為政者や民衆はどのように対処してきたのか。流行の前と後で何がどう変わったのか……パンデミックの歴史を探ることで、現状を変化させるヒントが見つかるかもしれない。
