NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』。主役の豊臣秀長を、仲野太賀が演じる (C)NHK
歴史はエンターテインメント!かしまし歴史チャンネルへようこそ。本連載ではこれから毎週、NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』に関する内容を解説していきます。今年の大河ドラマの主役は、豊臣秀吉(演:池松壮亮)の弟である、豊臣秀長(演:仲野太賀)。本記事では大河ドラマの第1話に関連して、秀吉・秀長兄弟の家庭環境、両親や姉妹はどんな人だったのか、史実に基づいて解説していきます。(かしまし歴史チャンネル/川合章子)
2026年大河ドラマ「豊臣兄弟」の主役、豊臣秀長とは?
豊臣秀長といえば、大河ドラマなどでは「小一郎」という名で登場し、兄・豊臣秀吉を支えた名補佐役として描かれることの多い人物です。しかし、秀吉・秀長兄弟の父についてや、その姉妹、どういう家庭環境だったのかについては、意外と知られていません。
そこで今回は、豊臣秀長と秀吉の両親、そして兄弟姉妹について、史料をもとに整理していきたいと思います。
NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』第1話より。左は小一郎の幼なじみ、直(演:白石 聖) (C)NHK
秀吉と秀長は異父兄弟だった?
これまでの大河ドラマや一般的な説明では、秀吉の父は木下弥右衛門、母は「なか」とされ、弥右衛門の死後、なかが筑阿弥という人物と再婚し、その間に生まれたのが、秀長と妹の朝日である、と描かれてきました。つまり、秀吉と秀長は、父親の異なる「異父兄弟」である、という理解です。
この説のもとになっているのが、『太閤素性記』になります。これは秀吉の死後、旗本・土屋知貞が、自身の祖母や養母に話を聞いてまとめた、聞き書きのような書になります。つまり、秀吉や秀長が生きた同時代の記録ではないのです。
実は、秀吉の出自や父親について触れている史料は、非常に少なく、『太閤素性記』のほかには、小瀬甫庵による『太閤記』、そして『祖父物語』の三点ほどしか存在しません。
ところが、この三つの史料は、記述が一致していません。『太閤記』と『祖父物語』では、秀吉の父は筑阿弥(あるいは筑阿弥入道)とされています。一方で、『太閤素性記』だけが、秀吉の父を木下弥右衛門とし、その死後に、秀長と朝日が生まれた、と記しているのです。







