「阪神・淡路大震災は予見できていたのに…」気象予報士のように地震予報を出せない研究者たちの苦悩
尾池和夫
かつて地震が起きた跡である活断層をつぶさに調べると、これから起こるであろう地震が見えてくるという。実際、阪神・淡路大震災は、筆者をはじめ多くの専門家が大地震発生の可能性を指摘していた。しかし、制度の裏付けがある気象予報士と違い、地震研究者の「予報」は軽視されがちだ。地震大国ニッポンが今後とるべき対策とは?※本稿は、地球科学者の尾池和夫『活断層のリアル 京大元総長が語る入門講義』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。