民主党代表選候補による政権構想の第2弾は、馬淵澄夫前国土交通省である。インタビューかアンケートをお願しており、代表選までにどうしても時間がないためアンケートによる回答となったが、詳細に答えていただいた。目指す国家像は家族が慈しみあいながら暮らせる国であり、そのためにまずは経済再建を優先し、企業経営の経験活かした国家マネジメントを行う、というのが主旨である。

まぶち・すみお/横浜国立大学工学部卒業後、上場企業役員を経て政界へ。2003年11月衆議院議員初当選、05年9月衆議院議員2期目の当選、09年8月衆議院議員3期目の当選、同年9月国土交通副大臣就任、10年9月国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)就任、11年1月 国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)退任、11年1月民主党広報委員長就任、同年3月民主党広報委員長退任、同年6月内閣総理大臣補佐官(東北地方太平洋沖地震及び原子力発電所事故対応担当)退任、現在の役職は民主党奈良県第1区総支部長

家族が慈しみあいながら暮らせる
国づくりを目指す

Q1 どのような国づくりをしたいのか、その全体像について。

 家族が慈(いつく)しみあいながら暮らせる国というのが第1。お父さん、お母さん、子どもたち、おじいさん、おばあさんがいて、みんなが支えあいながら、家族が一緒に楽しく暮らせる国にするというのが理念です。

 そのために必要なことが適度な経済成長です。「衣食足りて礼節を知る」という言葉がありますが、政治の役割は礼節を人に押し付けるものではなくて、一人ひとりが礼節をもって暮らせる前提となる衣食が足るような環境を整えることだと考えています。

 私が政治を志したきっかけは、田中角栄元首相です。田中元首相の評価については毀誉褒貶ありますが、コンピュータ付きブルドーザーといわれたように、日本全国すみずみまで、あらゆる人に政治の光を当てようとして、常に人々の家庭のかまどに火がともっているかどうかを見ようとした。そしてそれを実現するための国土開発のグランド・デザインを描いていました。