9月5日の中国×日本戦で3点目を決めた南野拓実選手9月5日の中国×日本戦で3点目を決めた南野拓実選手 Photo:Kenta Harada/gettyimages

9月5日、埼玉スタジアムで行われたサッカーワールドカップのアジア予選で、日本に0-7で敗れた中国。実は中国では、この結果が大変な騒ぎになっている。中国代表に対し激怒する人々、ネットにあふれる批判、さらには対日感情も変化の兆しがあるという。サッカー日本戦の結果が、中国社会に与えた衝撃とは?(日中福祉プランニング代表 王 青)

中国×日本戦、結果は「0-7」で中国が惨敗

 9月5日、サッカーのFIFAワールドカップ2026北中米大会アジア最終予選として、埼玉スタジアムで中国×日本戦が行われ、中国は0-7で大敗を喫した。最新FIFAランキングは、中国が87位で日本が18位。多くの中国人が日本に勝てないと予想していたとはいえ、7点差という屈辱的な結果の衝撃は大きかった。

 この試合結果は、中国のSNS「微博(ウェイボー)」や検索サイト「百度(バイドゥ)」の注目ランキング上位を占め、中国メディアも速報で伝えた。国民の反応は大きく、SNSには瞬く間に膨大な書き込みが寄せられた。

 いまの中国で人気スポーツといえば、卓球でも、バレーボールでもなく「サッカー」と答える人が多いはずだ。男性だけでなく、女性にも熱烈なファンが多い。中国人がどれほどサッカーに夢中かについては、以前も書いたことがある(https://diamond.jp/articles/-/313647)。

 筆者の友人の中国人女性も数人、今回の試合を見るためにわざわざ来日していた。日本戦ということで「勝ち目はないと分かっていても応援したい」「リアルで観戦するのはワクワクするし、勝てるかもと期待している部分もあるし」と、日本に来た理由を説明していた。そう思っていた中国人は多かったようで、埼玉スタジアムには、約4000人の中国人サポーターが集まり観戦していたそうだ。