中国「5%成長死守」の焦り、追加金融緩和と住宅市場テコ入れ策発表も効果は期待できずPhoto:PIXTA

9月24日に中国人民銀行は一層の金融緩和や住宅市場支援策など追加の景気刺激策を発表した。株式市場は好感したが、家電や自動車の購入支援策などは需要の先食いにすぎず、その効果は限定的と思われる。住宅市場テコ入れ策に目新しさはなく、不動産不況からの脱却は難しい。今後は5%成長死守のため、財政出動など政策を総動員することになろう。(大和総研経済調査部長 齋藤尚登)

中国人民銀行総裁が追加の
景気刺激策を「予告」

 2024年9月24日、中国人民銀行(以下、人民銀行)の潘功勝総裁がさらなる金融緩和や住宅市場テコ入れ策など追加景気刺激策の実施を「予告」して、注目された。人民銀行総裁が政策を事前に「予告」するのは極めて異例だ。

 現時点で既に実施されたものもある。次ページでは、追加景気刺激策の内容を取り上げつつ、効果について検証する。