リスク分散にもってこい!「インフラファンド」に資金が集まり続ける理由Photo:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

インフラファンドの投資対象

 本稿では、インフラ資産を投資対象とするインフラファンドについて紹介する。インフラ資産は一般的に、金利上昇局面やインフレ局面においても比較的パフォーマンスが安定しており、株式や債券、不動産とも異なるリスクプロファイルであるためリスク分散になる。こうした点から、インフラファンドは投資家にとって有力な投資先の一つとなっている。

 伝統的なインフラ資産としては、空港などの運輸・交通やエネルギー、上下水道などがある。近年の気候変動への意識の高まりや社会構造の変化の中で、データセンターなどの通信関連や太陽光発電などの再生可能エネルギー関連のアセットについても、インフラファンドの投資対象となっている。

 また、太陽光と風力など複数のエネルギー源から構成されるアセットや、データセンターと再生可能エネルギーなど異なるリスクリターン類型から構成されるアセットも投資対象となっており、ファンドの投資対象は拡大しつつある。

 インフラ資産の事業フェーズは、開発・建設段階までを指す「グリーンフィールド」と、すでにでき上がった施設を運営・維持管理する段階を指す「ブラウンフィールド」の二つに大別される。インフラファンドにおいては、その一方もしくは両方のフェーズを投資対象とする。

 グリーンフィールド案件においては、投資後すぐにキャッシュフローが発生せず、完工リスク(一定の工期と予算内で施設が完成しないリスク)も存在する。ブラウンフィールド案件においては、すでに運営段階に入っており、キャッシュフローが安定もしくは一定程度予見可能であるため、収益に係るリスクはグリーンフィールド案件より低く、想定リターンも一般的にグリーンフィールド案件よりも低い。