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プロスポーツ選手、人気とファンサービス度は反比例する傾向あり

相沢光一 [スポーツライター]
【第87回】 2010年1月19日
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 巨人・滝鼻卓雄オーナーが14日に行われたスタッフ会議の席上で「選手のファン対応改善」を厳命したという。

 報道によれば、その内容は具体的かつ細かい。「ファンに対して礼儀正しい姿勢を見せる」、「試合後にファンから握手を求められたら、しっかり対応する」、「(帰りの)バスに乗ってからもファンから声をかけられたり手を振られたら、笑顔を見せなければいけない」といったもので、「それができない選手は罰として、グラウンドに戻って走らせる」とまで語ったそうだ。

経営順調の巨人軍でさえ
ファン離れに危機感

 かつては断然の人気を誇った巨人も、人々の野球離れの影響を少なからず受けている。テレビ中継の視聴率は落ちる一方。中継数自体も激減した。

 とはいえ、昨年はセ・リーグ3連覇を達成。日本一にもなった。他球団の4番やエースを大枚はたいて獲得することから「強奪球団」などとも言われてきたが、最近は生え抜きの若手の活躍も目覚ましく、イメージも良い方に変わりつつある。他球団と比べれば経営は順調といえるだろう。

 にもかかわらず、トップが選手に「礼儀正しくしなさい」、「できなければ走って反省してもらう」と子どもに言い聞かせるような注意をしたのだ。

 滝鼻オーナーは、その意図をこう語ったという。

 「大衆、野球ファンに支持される球団にならないといけない。人気にあぐらをかいていると、何かの時にファンは離れていく」と。この“何かの時”にファン対応が入っているということだ。おそらく滝鼻オーナー自身も、選手のファン対応の悪さを見聞きしているのだろう。

 筆者も宮崎キャンプ取材をした際、何度かそのようなシーンを見たことがある。練習後、帰る選手にファンが近寄り、プレゼントを渡したり、サインをねだろうとするのだが、多くの選手がそれを無視するように足早にバスに向かう。サインに対応したとしても、ファンとは目を合わせず、面倒くさそうにペンを走らせて終わりだ。もちろん中には足を止め、にこやかにファンと会話しながら丁寧にサインする選手もいるが、大半は無愛想だった。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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