採用難易度が高まった現在では、社員のCSAを高める術を持つことは非常に重要です。採用はもちろん大事ですが、採用だけに頼ってはいけない。今いる社員のレベルをどう高めていくか。これからの時代、経営者に求められる力となるでしょう。社員の力を伸ばす会社であれば、売り手市場でも選ばれる会社になります。採用力も高まるのです。

「考え方」「能力」「環境」から成るCSAの方程式で
社員も経営者も成長する

 前回のイントロダクションでも触れましたが、「CSA」は京セラ創業者の稲盛和夫さんの考えもヒントになっています。稲盛さんは「考え方×熱意×能力」で仕事の成果は上がり、人として成功する、と言われました。私が考えるCSAは、「考え方×能力×環境」から成ります。

CSAがあれば会社が危機に直面しても乗り越えられる〈PR〉CSAを身につけるための方程式
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 環境とは「働く環境」です。「働く環境は、良くも悪くも人の成長に大きな影響を与える」という意味です。昨今目につく「ゆるブラック」のような企業に入ってしまったら、成長どころではありません。「ゆるブラック」とは、優しい労働環境のホワイト企業であるのに、やりがいや成長を感じられない職場のことを指します。

「考え方」「能力」「環境」から成る【CSAの方程式】。例えば100点満点で考えると、考え方は10点、能力は5点、環境は2点。10×5×2で100点です。この点数の付け方はあくまでイメージです。各社独自で点数配分を考えてください。稲盛さんが強調されている通り、考え方が最も大事です。

 考え方が間違っていれば、能力がどんなに高く、素晴らしい環境にいたとしても、CSAの向上につながらないからです。

 2点だからといって「環境」が大事でないわけではありません。環境がよくない組織にしてしまうと、社員の考え方・能力を高めるのに、余計な手間がかかってしまうのです。

 この「考え方×能力×環境」のそれぞれについて、さらに下位概念があって社内で体系化しています。

 人の評価は一般的に能力と、それがもたらす成果によってなされます。考え方はあまり問われることがありません。環境についても、多くの企業では社員の成長の観点で捉えることはありません。この三要素をともに重視することは、「人間成長」を目指すCSAのユニークなところではないかと思います。

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