プレゼンや会議で「選ばれない人」がやってしまっている3つのこと井下田久幸さん

 社員数わずか16名のベンチャー企業が、名だたる大企業とソフトウエアのビジネスコンペで争い、300戦無敗! そんな離れ業をやってのけた、「選ばれることの達人」が、そのものズバリ、『ビジネスコンペ300戦無敗 選ばれ続ける極意』というタイトルの本を上梓した。

 達人の名は井下田久幸(いげたひさゆき)。氏は、もともと日本IBM社のエリート社員だったが、自ら志願して弱小ベンチャー企業に転職。そこで、上記のビジネスコンペ300戦無敗を実現した。現在は起業し、その会社のCEOを務めている。今回は、そんな井下田氏の友人であり、新刊本の企画者でもあるブックライターの西沢泰生氏が、「選ばれ続ける極意」について井下田氏に聞く。

「プレゼンで選ばれない人」がやってしまっていること
(1)相手の顔を見ない

西沢:営業に限らず、自分の提案を通すためのプレゼンテーション(以下 プレゼン)をする機会というのは、ビジネスの世界ではつきものと思います。そんなプレゼンをするとき、井下田さんがとくに意識している「選ばれる人になるため」にやっていることを教えていただけますか? 逆説的に、「選ばれない人がやってしまっていること」でも構いません。

井下田:選ばれない人がやってしまっていることの1つ目は、相手の顔を見ないでプレゼンするということ。今回の本でも触れていますが、今まで、数多くのプレゼンを見てきて、とても気になるのは、聞いている人たちの顔を見ないでプレゼンをする人がたくさんいることです。それなりに有名な会社の営業が、お客様へのプレゼンのときに、ずっとプレゼン資料を映しているスクリーンのほうばかりを見続けていて、1度もお客様のほうを見ないという姿を何度も見ました。

西沢:あー、そういうプレゼンをする人、たしかにいますね。しかも、そういう人って、資料を読み上げるだけのことが多い。それなら、資料を配って「読んでおいてください」で十分ですよね。

井下田:そうなんです。そんなプレゼンでは選ばれるわけがないと思います。