農協職員が共済などの過大なノルマ推進を苦に離職するケースが増えている。ダイヤモンド編集部は、JA人材流出深刻度ランキングと、共済事業激減JAランキングを作成した。特集『儲かる農業2024 JA農水省は緊急事態』(全17回)の#5では、両ランキングから、消滅危機にある農協をあぶり出す。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
共済事業総利益が1年で45%減った農協も!
人材流出ワースト1位は職員が25%減少
農協では、職員が共済(保険)などの過大な営業ノルマを達成するために、本来不要な契約を結ぶ“自爆営業”が問題になっている。
しかも、経営の先行きは不透明だ。ダイヤモンド編集部の農協役職員アンケート(有効回答数434人。詳細は特集『組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿』の#1『「JA全中は不要」農協組合長・役員ら160人の46%が回答!会長の定年延長で総スカン』参照)によれば、5年後に黒字経営の見通しが立っている農協役職員は33%にすぎない。
自爆営業で農協役職員の仕事のやりがいが低下し、経営の持続可能性に疑問符が付いている現状では、離職者が相次ぐのは当然だ。
次ページでは、農協の衰退を示す衝撃的な二つのランキングをお届けする。ダイヤモンド編集部が作成したJA人材流出深刻度ランキングでは、職員数が1年間で4分の1も減った農協があった。同じく共済事業激減JAランキングのワースト1位の農協では、共済事業総利益が前年度比で45%も減っていた。
いずれのランキングとも、「週刊ダイヤモンド」2024年5月11日号に掲載し切れなかったワースト8~30位も含めて大公開する。