倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#61Photo:amtitus/gettyimages

メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#61では、第38弾として、山口県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

山口県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
山口銀行、西京銀行が倒産させた企業は何社?

 山口銀行の親会社、山口フィナンシャルグループ(FG)といえば「お家騒動」。こう連想する金融関係者は多い。

 2021年6月の株主総会で会長兼グループCEO(最高経営責任者)として臨んだ吉村猛氏が、直後の取締役会で電撃解任された事件のインパクトはそれだけ大きいものがあった。

 ダイヤモンド編集部も当時、『極秘メール入手!山口FGが虚偽説明の疑い、株主無視で前CEO解任「クーデター」の全貌』『山口FGの吉村前CEOが衝撃告発「用意周到なクーデターを仕掛けられた」』などの記事で、解任劇の真相に迫っている。

 実は傘下の山口銀行では、04年5月の取締役会で、田原鐵之助頭取(当時)の解任クーデターも起きている。山口FGは中国地方を代表する有力地方銀行グループの一角ながら、その内紛劇は“伝統芸”に近い。企業体質を改めない限り、ガバナンス上の問題は繰り返されることだろう――。

 経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。

 メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。

 今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。

 メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。

 第38弾の今回は、山口県の金融機関を取り上げる。山口銀行、西京銀行のほか、西中国信用金庫など信金も名を連ねた。

 ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。

*「メインバンクとして倒産させた社数の合計」は2020年1月~23年11月の合計値で、ダイヤモンド編集部調べによる推計。負債総額1000万円以上、法的整理による倒産が対象。都道府県別の倒産社数の合計は、金融機関の本店所在地ベースで数えた。例えば、東京都に本社を置く企業が倒産してもメインバンクが埼玉県の銀行なら、埼玉県の倒産社数としてカウントしている。主な金融機関の内訳で省略した都市銀行は、東京都が3行、大阪府が1行。政府系金融機関二つと信託銀行1行、その他の金融機関(旧長期信用銀行)2行は、いずれも東京都

 ランキングは、これからも連日配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の山口県の結果を確認していこう。