一人創業でエン・ジャパンの前身企業を立ち上げ、最も支持される転職サイトにまで成長させた秘密は何か。「考え方×能力×環境」の組み合わせで、どこでも活躍できる人材を育て、企業の成長ドライバーにしていくCSA経営が、同社の成長の根底にあります。今回は、新刊『エン・ジャパンに飛躍を支えたCSA経営』から、同書の結びの部分を特別公開します。

ワーク・ライフ・バランスの掛け声のもと、若手から成長の機会を奪ってはいけない〈PR〉

日本の人材育成、とりわけ若者の育成は
企業が担ってきた

 本書の結びにあたり、経営者のみなさまへのメッセージを書かせていただきます。

 私は経営者のみなさまとともに、日本を強くしたい、と思っています。日本はこれからますます弱体化が進んでしまうのではないか。この危機感が背景にあります。

 名目GDPは2010年に中国に抜かれ3位に。2023年ではドイツにも追い抜かれました。少子高齢化による人口減少には歯止めがかかりません。詰め込み教育への批判から導入された、いわゆる“ゆとり教育”。私は「野心、競争心、困難を乗り越えるエネルギー」という、いわば「逞しく生きる力」を若者から奪った、と思っています。

 拍車をかけるように、昨今、働き方改革が叫ばれています。ワーク・ライフ・バランスの掛け声のもと、労働時間の削減ばかりが注目されました。確かに過労死を招く働き方は許されません。生産性ももっと高められる。ただ、すべてのビジネスパーソンが横並びに働く時間を少なくすればいい、というものではありません。特に、新入社員や若手から成長する機会を奪ってはいけない。

 これまで日本の人材育成、とりわけ若者の育成は企業が担ってきた、と私は考えています。その自負を経営者のみなさまにはぜひ持っていただきたい。

 家庭や学校よりも、若者は企業で磨かれるのが現実です。私も含めて、家庭ではなかなか子供に厳しくできない(笑)。学校教育でもさまざまな取り組みがなされていますが、限界がある。ビジネス社会こそが、若者が育つ絶好のステージだと思います。

 社会人になると、プロとして最善を尽くすことが求められます。競合他社ではなく、自社が選ばれるかどうか。顧客に貢献できなければ会社は潰れてしまいます。

 だから、経営者は社員に高い要望をすることができる。若手は仕事で鍛えられ成長できる。こんな環境はビジネス社会以外ありません。

 もちろん、中堅やベテラン社員にもCSAを要求してください。今からでも遅くはありません。